この本をやった頃って、オレはとにかくゲーム開発会社の経営に追われてた頃で、ライターとしての活動なんて落ち着いてやれたもんじゃなかった。これも、そういう中でどうにか仕上がった本で、エラソーにも、しゃべりお越しなんかも併用してなんとか仕上がったというカンジの本。
いまや気恥ずかしい「マルチメディア」なんてタイトル。その前は「ニューメディア」。ここ数年腐るほど出てた「IT」も、そろそろ、ちょっと気まずいニュアンスを含みつつあるし。流行り言葉って、厚底ブーツのごとく急速に陳腐化するよね。…今読んでも多少意味があるかなと思うのは、ネットワークコンピューティングの普及に伴う意識の流れをモータリゼーションにたとえて語っているところとか、(『快楽原則を満たすハードウェアのみが普及する』みたいな)あと、TV電話の普及について起こってくるだろう新しい文化というか風俗についての考察とかかな。このへんは、最新刊の『携帯電話ビジネスへの挑戦者たち!』でも同じ論旨で述べてるから、僕にとっちゃベースになる『持論』ってことになるのかなぁ。
|