・・・過去にやった本を紹介します。

  ↑お下品な表紙がココんちの持ち味。  

『裏パソコン通信の本』(三才ムック VOL.18) 三才ブックス

1994年 4月刊行 企画原案・執筆(一部) 
現在絶版・入手困難

 このムックは、『電話の本』とか、数々のアブナイ系雑誌・ムックの元祖、三才ブックスが初めて「パソコン通信」をテーマに本格的に取り組んだ本です。
 僕は、この本自体の企画原案をやり、全体の3分の1ぐらいを書いてます。ただし、ペンネームを使ってます。別に隠すつもりもないんですけどね。
 このころはまだ零細ゲーム会社のシャチョーやってて、経営に追われていたから、全部書くなんてとてもムリな話でした。
 僕自身は、これに先立つこと4ヶ月ほど前の『電話の本PART-5』で、パソ通のダークサイドをルポルタージュした記事で、ライターデビューしたということになっています。

 ネットおかま、オンラインストーキング、ハッキング、オンラインブルセラ少女などなど、今じゃすっかりお馴染みになった、ネットワークの風俗面というか、暗黒面をはじめて本格的にルポルタージュした本だと思います。たとえば今、TV番組の、『イナズマロンドンハーツ』が、『BL@CK MAIL』とかでやってるような、『別人になりすまして意中のヒトの真意を探る』みたいな、ネットワークの二重人格性が初めて紹介されたのも、多分この本だと思うと自負はしてる。下品な体裁の本だけど、今でも結構気に入ってます。
 三才ブックス自身も半信半疑で出したようだけど、初版2万数千部は見事一ヶ月もしないうちに完売。その後2度ぐらい増刷して、当初は手に入らないっていうんで、ニフティの掲示板では3000円ぐらいで売買されたぐらい、『一部で』センセーショナルに受け止められた本でした。おかげで、DIMEとかTBSも取材に来たんだよなぁ。週刊文春で、猪瀬直樹に盗作されたりしてね。(笑)多分、弟子とかブレーンとかが色んな本をチェックして、内容をダイジェストして草稿を代筆したりしてるんだろうね。おかげで、タレント評論家がどうやって評論やエッセイを量産してるかよくわかったっすよ。(笑)
 これ、パート2以降も出てるけど、ハッキリ言って読むに値しません。最初のこの本だけだと思うよ。今読んでもある程度読めるのは。


  ↑『マルチメディア』って言葉が今や気恥ずかしい  

『文科系のためのマルチメディア』 実業之日本社刊

1995年 3月刊行 企画原案・執筆(一部)
現在絶版・入手困難

 この本をやった頃って、オレはとにかくゲーム開発会社の経営に追われてた頃で、ライターとしての活動なんて落ち着いてやれたもんじゃなかった。これも、そういう中でどうにか仕上がった本で、エラソーにも、しゃべりお越しなんかも併用してなんとか仕上がったというカンジの本。

 いまや気恥ずかしい「マルチメディア」なんてタイトル。その前は「ニューメディア」。ここ数年腐るほど出てた「IT」も、そろそろ、ちょっと気まずいニュアンスを含みつつあるし。流行り言葉って、厚底ブーツのごとく急速に陳腐化するよね。…今読んでも多少意味があるかなと思うのは、ネットワークコンピューティングの普及に伴う意識の流れをモータリゼーションにたとえて語っているところとか、(『快楽原則を満たすハードウェアのみが普及する』みたいな)あと、TV電話の普及について起こってくるだろう新しい文化というか風俗についての考察とかかな。このへんは、最新刊の『携帯電話ビジネスへの挑戦者たち!』でも同じ論旨で述べてるから、僕にとっちゃベースになる『持論』ってことになるのかなぁ。

■番外編―こちらは私の本ではないのですが■


  ↑かなりラディカルな福祉論だと思う。  

『電脳福祉論』 森岡正博対談集 学苑社                    

1994年 11月刊行 対談で参加

 そもそも、なんで一介の零細企業のオヤジだったオレが、大学の先生と対談してるんだか、いまだにさっぱりわかんないこの一冊。(笑) 森岡教授は、今度出した『携帯電話ビジネスへの挑戦者たち!』で、逆にこちらからインタビューをお願いするという形で、ほぼ5,6年ぶりの再会となりました。他に対談してるヒトビトは、鎌田東二氏(宗教学)、佐倉総氏(生物学者)、橋爪大三郎氏(社会学者)、米本昌平氏(科学史)など、バリバリにアカデミックな凄い方ばかり。(^_^; なんでオレが対談者に入ってるんだー。今見てもまったく赤面の至りです。ただ、森岡教授との対話は、素晴らしい体験であったことは、これはもう言うまでもありません。

 多分、かなり入手困難な本だと思いますが、どこかで見つけたら、俺の章はともかく、ぜひ目を通してもらいたいですね。1994年現在で、おそらくもっとラディカルな(そして、ゲノムビジネスがとんでもないスピードで進化した6年後の現在でも)おそらく、かなり刺激的な福祉論であろうことは間違いないと思います。ヴァーチャルリアリティやネットワークを、福祉の問題と組み合わせて論じた稀有な一冊。
 森岡先生、もうちょっとまともな評が語れなくてごめんなさい。

 

 

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