(2002.2.14) SCEI、ゲームダウンロードや音楽配信を行なう「PlayStation
BB」発表。
1年弱遅れたようですが、2000年のPS2発売から言われていた「
E-Ditribution構想」、遂に始動ですね。
当時「ブロードバンド前提のネットワーク構想など早すぎだろう」という評価が一般的でしたが、
今となっては何の違和感も感じないところが、ここ数年の進歩のスピードを物語っていますよね。
(FTTHよりも、ADSL中心というところだけは、当初の目論見とは大きく異なってはいますが)
しかし、同時にゲーム機を取り巻く事情も、ここ2年ほどで変わってきました。
ブロードバンドユニット(ハードディスクとLANカード)込みでも、本体価格は5万を切るので安いですが、
同一の機能を持ったパソコン(640×480ディスプレイ、外部記憶装置別買、キーボード・マウス別買)と
比較して考えると、これはもはや、PCと比べて格別に有利な値段とは言えなくなっています。
このあたり、PCとの棲み分けはどのように考慮しているのでしょうか。
考慮してなかったりして。(笑)
音楽や映像など、リッチコンテンツの配信は一つの目玉として捉えられているようですが、
外部記憶媒体との連携が採られない限り、これは既存の業態と比較した場合、
「コンテンツの販売」というよりは、むしろ「レンタルビデオ・CD」の業態に近いと考えねばなりません。
つまり、コンテンツ配信価格は相当に抑えなければ商売にならないだろうということです。
コンテンツ価格が抑えられない場合、予想される現象としては、お店で購入・レンタルをしにくい
アダルト系コンテンツなどが普及のキーになると考えるのが自然ですが、
(ネット書店で、アダルト系書籍や写真集の販売が突出している現状を参照)
ところがどっこい、PS2は「
ゲーム機」でもあるわけで、アダルトコンテンツは多分許容されないでしょう。
いずれにせよ、こうした配信サービスによって、最初に業態の大幅な転換が起こるのは、まずは
TUTAYAなどのレンタル業界、それからBS/CSなどの放送業界であろうと思われます。
問題は、
「FF
XI」などのキラーコンテンツが、PS2のユーザー層形成に対して、
どのような影響を及ぼしていくかということですね。現在でも、PCのネットワークゲームユーザーは
通常のPCインターネットユーザーとは異なる、独特のユーザー層を形成していますが、
PS2ネットワークユーザーがPCインターネット層とどの程度クロスするのか、あるいはしないのかによって、
PS2のコンテンツを巡る動向は、この先かなり変わってくるだろうと思います。
個人的予測を言うならば、情報家電のハブとなる構想や、アダルト系コンテンツが許されない
ゲーム系などを主体と考えると、PS2は「
ファミリーコンテンツマシン」という色彩を
帯びてくるだろうという感じでしょうか。
マニアックな市場や、コアユーザーに対する要求はPCに特化してくるのではないでしょうか。
いつの時代でも、コンシューママシンと比べた場合、パソコンというのは、先進的であると同時に、
そうしたマニアックな層を受け止めてきたという側面があるわけですから。