(2002.4.11) P2Pカンファレンス in Japan 2002 Springを、プレス扱いで聴講することができました。
渋谷はセルリアンタワーで開催された、この日本では最初にして最大規模のP2Pカンファレンス、
「セルリアンタワー」という言葉で、IT業界に詳しい方ならピンと来たかもしれませんが、
主催は、あの
GMO(グローバルメディアオンライン)です。
GMOが、この時期にP2Pに
目をつけ始めたこと自体、ある意味で今後、
「
P2Pがカネになる時代」がやってくるのかもしれませんね。
正直なところ、僕には、余りにも大きなテーマすぎて、まだまだ良くわからないんです。
講演は2つの部屋で同時に行われたため、全ての講演を聴講することはできませんでしたが、
スカイリーネットワークスの梅田社長の講演は、3ヶ月前にソフト化経済センターで聴いた講演よりも、
さらに、自身のビジネスモデルに対する確信のようなものを感じました。
やはり、数日前に発表された、
Bluetoothを使ったガジェットに対する自信の現れなのでしょうか。
頭の良い人というのは、わずか数ヶ月でどんどん進化していくものなんですね。
そのほかにも「
P2P時代の認証システム」などなど、
まるで、SFでも見ているかのような先進的、しかし具体的な講演が続く中、
僕が個人的にもっとも楽しみにしていたのは、
ちょうど先般「
ファイルローグ」が仮業務停止命令を受けたばかりの、
日本MMOの松田社長の
講演でした。
Yahoo!の社員だった同氏が、どうしてこのようなドン・キホーテ的な事業を行おうとしたのか?
なぜ、このような確信犯的造反をしたのか。
…同氏のパーソナリティには、実は以前から興味津々だっただけに、この講演は興味深いものでした。
松田氏については、講演後名刺を渡して少しだけお話し、
「今度、どこかの記事でインタビューする機会を作らせてくれ」とお願いしたので、
また、個人的にお話できる機会も、きっとあることでしょう。
一つだけ、同氏についての僕の印象として、今言えることがあるとするならば、
多分、同氏は最初から事業的に成功することなど望んでいる人ではなかったのではないか。ということでした。
僕も一応これでも、今まで多数の実業家と付き合ってきた人間ですので、
松田氏が、「事業こそ一番」と考える人間でないことは、なんとなく「におい」で感じるんです。
もしかしたら、松田氏本人にそう言ったら、同氏はそれを否定されるのかもしれません。
でも、そう思うんですよ。なんとなく。
ここのところ取材などで、数多くの大企業の社員の方、
そして、ベンチャーの幹部や経営者の方とお会いするのですが、最近つくづく思うことがあります。
日本通信の三田社長(「みた」ではなく、「さんだ」社長です)など、
本当に素晴らしい新興企業の経営者の方がいる一方、
正直言って、大企業の人間を見て、「あぁ、この人は凄いな」と感じたことがここのところ、ずっとありません。
名前は伏せますが、冒頭に講演を行った、某大手キャリアの研究所の主任研究員の方の講演は、
ハッキリ言ってひどかったです。
研究する前に、
まず日本語をちゃんとしゃべれるようにして欲しいです。
「APLがシュアーにエンティティ内部をスルーする」んだそうです。
以前、かのMITメディアラボの、ニコラス・ネグロポンテ氏の講演を拝聴したとき、同氏は遠慮がちに、
「日本人がボトムアップの文化構造に変わるには、あと一世代を要するだろう」といいました。
僕は、いくらなんでもそれはあるまいと思ったのですが、最近、どうも、
本当にネグロポンテ氏の言う通りになってしまうのではないかと思いはじめています。