(2003.5.13)最近、僕自身の提案による、ケータイビジネスの新規プロデュース案件がちょくちょく出てきているんですが、NDAの関係もあり、なかなかここでオープンにお話しできないのは残念なところです。
先日も(とはいってももうGW前ですが)、某M下さんのシンクタンクに呼ばれて色々と話してきたんですが、
そうしたところで僕がお話しすることは割と決まってまして、
「ケータイのパケ代を、月に1万円以上使う人のライフスタイルを想像できるか?」という話、そして
「パケット支払額が月額1,000円前後未満のユーザーは、ほとんどのモバイルサービスで想定ユーザーと見なせない」という説明からはじまります。
なぜって、何よりもまず、話す対象となる当人(大卒、ホワイトカラー、パソコンユーザー)が、実際のところほとんどの場合、ケータイサービスの「想定ユーザー」ではないからです。
マーケティングの教科書の第一ページ目に書いてあるような話ですが、
「全体の2割の顧客が売上の8割を稼ぐ」という法則は、ブラウザフォンサービスを画策する上でもまったく有効な話です。その話をすると、大体は「あぁ、そうだよね」と納得してくれるのですが、実は自らがその「2割」に属していないということは、なかなか実感としてピンと来てもらえない。いや、実をいうと僕だって本当のところは、実感として「理解して」いないのかもしれない。
でもたとえば、美容院(あるいは理髪店)に行って髪をやっている間、美容師さんに「あなた、パソコンやってますか?」と訊ねてみてください。美容師さんが10人いたら、パソコンでインターネットしている人は、僕の話したところでは、2人もいません。大学4年生に会ったら、「ケータイ使ってます?」と聞いてみてください。案外詳しくありません。彼らは大抵、就職活動を期に、パソコン主体のライフスタイルにシフトしていくものなんでしょう。
「3Gのキラーサービスって何だと思います?」というのもよく訊かれます。もちろんそんなこと、僕だって明快に言えるわけないですが、自分なりの「意見」として回答を求められたら、「想定ユーザーが1万人以下でもペイできるサービスだろう」と言うようにしてます。
世間の常識がどうなのか知りませんが、僕自身にとっては、想定ユーザー数が少なくても成立するサービスほど、優れたサービスだとすら思ってるぐらいです。